9月4日(金)「いどうこんちゅうかん」~あひる保育園2020~

宝塚市にある “あひる保育園” へ、今年はじめて「いどうこんちゅうかん」がお出かけしてきました。どんな一日になったでしょうか?

例年、特に夏休みは「いどうこんちゅうかん」はあちこちの施設におよばれして大忙しだったのですが、今年はコロナですべて中止。そんな中、あひる保育園から「年長さんのお泊り合宿ができなくなったので、代わりになにかスペシャルなものを、とさがして昆虫館ブログに行きつきました。」と依頼が入りました。先が読めない中で実施していいものだろうかと少し悩みましたが、保育園の園長先生と話し合い「感染には最大の注意を払う」ことを何よりも優先でと、開催を決めました。

年長クラスだけではもったいないので、年少・年中クラスもすこしだけ「むしむしたいけん」です。まずは年少さん。むしさんのところに勢いよくぱたぱたと走ってきます。

「わぁ~~!カブトムシ!」「なにこれ?」「おっきぃ~!」「ぼく、しってる。」「ヘラクレスや!」とにぎやか。

ちっちゃい虫さんたちやダンゴムシはかわいいですね。シモフリスズメの幼虫も平気でさわれる子もいました。赤いTシャツの男の子はニジイロクワガタがめちゃくちゃ気に入ったらしく止まり木にのせたままずっと持ち歩いていました。

年中の子どもたちは少し慎重です。どんな虫かを確認(?)したり質問したりでさわっていました。ヘラクレスにも「生きてる!生きてる!」と興奮気味。

たくさんの標本も気になってしようがありません。「かっけぇ~~!」だって。



いよいよ年長クラスの時間です。お揃いのカラフルな絞りのTシャツを着た子たちがお部屋に入ってきました。わおっ! いろんな色のTシャツには自分で絵を描いています。カブトムシやトンボやチョウチョがいっぱい描いてありました。むしさん歓迎ムードにスタッフのテンションも上がります。

さあ、ここから2020年初の「いどうこんちゅうかん」がはじまります。

まずは大学生の坂本くんの「むしむし小話」から。
「むしのからだのつくり」についてのお話です。あしは何本あるのかな?

おそろいのTシャツがかわいいです!


つぎは、内田くんのタペストリーの虫紹介。みんな大きな声で虫の名前を答えてくれます。



それでは「むしむしたいむ」です。むしさんといっぱいあそびましょう!

虫といえばカブトムシにクワガタです!このノコギリクワガタはちょいと気が荒く、ケースのふちを大あごではさんであばれていました。「らんぼうものだなぁ。」と言われちゃいました。

ニジイロクワガタはおなかもピッカピカです。あひる保育園ではニジイロはかなりの人気。

小さな虫たちも人気があります。特にピカピカのオオセンチコガネは大人気でした。「小さい子どもたちは、ヘラクレスのようなかっこいい虫も好きな一方、ぴかぴか光るものにも興味があるのだなぁ。」と内田くん。

こちらは「みんなのおっきなむしかご」。カヤです。中にたくさんの生きている飛ぶ虫たちが入っています。今回は台風9号の接近で前々日から強風が吹き、当日採れなかったらたいへん!とスタッフみんなで2-3日かけて集めたので、かなり豪華なカヤとなりました。ナミアゲハ・キアゲハ・アオスジアゲハなどの大きなチョウたち。トンボはシオカラ・オオシオカラ・ウスバキ・ナツアカネ・ギンヤンマ・ハグロトンボがいます。バッタも各種。ハナムグリもいます。セミも少々。とてもにぎやかです。
今までは一度に子どもが 5~8人 入ってましたが、今年は保育園の先生とこちらスタッフに子どもふたりと人数を制限し順番に入ってもらいました。

トンボやチョウはこうやってチョキで翅をはさんで持ってあげると翅がいたみません。

保育園の先生が、トンボをあおむけに抑えてじっとさせた後、上で手をパンッとたたくと飛び上がる・・・というのを子どもたちとやっておられたそうです。初めて見る遊びだったと坂本くん。おもしろいですね。
子どもたちはみんなカヤの中の虫をひととおり手に取って見てくれたそうです。

ぬりえも、標本を一生懸命観察しながらぬってくれました。真剣な目でオオスズメバチを見ています。生きているのはあぶなくてこんな風に見ることはできません。毒針が太くてこわいです。


「むしむしたいむ」のあとはこんちゅう大はかせの久保さんの質問コーナーです。

子どもたちの「どうして?」に答えるのはたいへんです。


たのしい時間もあっという間に過ぎてしまいました。最後に「いどうこんちゅうかん」参加のしるしにむしむし大博士の八田さんに「昆虫館のオオクワのハンコ」をコンパスノートに押してもらいました。

あひる保育園の子どもたちはふだんから虫に親しんでいるようで、みんな虫になれていて怖がっている子はいませんでした。年少さんは躊躇なく虫をさわっていましたが、年中は少し慎重に。年長になるとさわるだけでなくよく観察していることがわかります。この頃の1年って大きいのですね。小さいうちから虫をたくさんさわって、むしさんとなかよくなってくれるとうれしいです。

もうすぐ終わりという頃に「来年もきてくれる?」と聞きにきた男の子がいました。年長の子なので「来年もあひるさんにいるの?」と聞いたら「小学校に行く。。。」と残念そうな顔をしていました。ああ、これこれ!こういうのが一番うれしいですね。むしさんいっぱい連れて「また来ちゃおう」って思ってしまいます。本当に小学校に行く前にまた会えるといいですね。佐用町昆虫館にも遊びに来てください。待ってます!

あひる保育園の子どもたちは、とてものびのびいきいきとしたかわいい子どもたちでした。環境も良く、お天気さえよかったらとなりの公園にはトンボがたくさん飛んでいたことでしょう。チョウたちが吸蜜するお花もたくさん植わっていました。これからももっともっと虫と親しんでください。
あひる保育園の園長先生、先生方。たいへんお世話になりました。
また「いどうこんちゅうかん」を呼んでください。たくさんのむしさんを連れてまいります。佐用町昆虫館へもぜひ遠足でいらしてください。
ありがとうございました。

参加者 : 保育園児 55人(年長 17人・年中 19人・年少 19人)
保育園スタッフ : 8人
こどもとむしの会スタッフ : 八田康弘・久保弘幸・坂本貴海・内田隼人・吉岡朋子

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あひる保育園の年長クラスはこの日、お泊り合宿の代わりの「夜まであそぼう会」で「いどうこんちゅうかん」の後もおたのしみが続いたそうです。晩ごはんは子どもたちが作った昆虫オブジェで飾られた「昆虫レストラン」で。メニューはなんと・・・

写真は保育園からいただきました。

「カブトムシカレー」に「ミノムシアメリカンドッグ」に「おばけパフェ」! 子どもたちが絶対よろこぶメニューですね。夕食後は肝試しをしたそうです。
先生方の愛情たっぷりの「夜まであそぼう会」は、むしむしスペシャルなステキな一日になったようです。
【報告:吉岡】