「ふぇもらん」をさがせ!! フェモラータ、兵庫県で続々と。

「ふぇもらん」は、「フェモラータオオモモブトハムシ」の愛称です。
先週、そう決めました。

2cmほどあります。見たら感動しますよ。
板金作品のようなメタリックな装甲、ガッチリした体型は、ロボットみたい。
でも、性格はおっとりしていて、かわいい虫です。

そんな虫が、みんなのおうちの近くに、いるかもしれない!
今年は夏休みが短くなって残念だけれど、おうちの近くで、「ふぇもらん」をさがせ!

南の国からやってきました

「ふぇもらん」は、今から10年少々前に、南の国からやってきました。

もともとタイやベトナムなどの東南アジアにいる虫ですが、10年少々前に三重県で見つかって話題になりました。マメの仲間の植物を食べることが知られていたので、農家の人たちが育てているマメも食べてしまうんじゃないか!?と心配されていましたが、河川敷や空き地にたくさん生えているクズばかり食べていて特に害もないので、最近は「まあ居てもええか…」という雰囲気になってきています。

安岡拓郎氏談

「きべりはむし」誌には、これまで何度か、兵庫県でフェモラータオオモモブトハムシがみつかったという記事が出ていて、最新の43巻1号の大庭さんの記事でも、「偶発的な記録とは考えにくく,すでに繁殖しているものと推察される」とありました。

そう思ってた人は、ほかにもいてまして、じつは、この4月に、安岡拓郎さんが、発生地を特定しました。

6月14日(日)、昆虫館に登場した個体は、この兵庫県産「ふぇもらん」です。

来館者に見ていただいたところ、9割の人の第一声が、「何のむし?」だったそうです。
知名度、低いです。
当然ですね。これまでいなかったんですから。

ハムシのなかまです

ハムシは、「羽虫」ではなく、「葉虫」です。
カミキリムシやゾウムシの親戚で、すべて植物を食べます。

いちばんよく見られるハムシは、たぶん、ヨモギハムシ。
都会の公園にもいます。テントウムシくらいの大きさです。さわると、コロンと落下します。

アカガネサルハムシは、日本の昆虫の中でも、最美麗種の一つでしょう。
超美しい。でも、テントウムシより、ちっちゃいのです。

キベリハムシは、兵庫県では、いちばん大きなハムシです。1cm少々あります。
つぶらな瞳と黒い足先がかわいいと、ハムシ界のアイドル的地位を独占してきました。

ほかにも、いろんな種類がありますが、たいていは、数ミリの小さな虫です。

「ふぇもらん」は、ハムシの一種ですが、こんなに大きなハムシは、これまで日本にはいませんでした。

「モモブト」というくらいで、後脚(うしろあし)が大きくて、太もも(腿節)が太いです。
(femorataという名前は、腿節=femur(複:femora)に特徴あり、という意味です。)

この脚でバッタのようにピョ〜ンと飛び跳ねて逃げる、
のだったらおもしろいですが、そんなことはいたしません。
いったい、何に使うのでしょうね?

「ふぇもらん」は、クズ(葛)が大好きです

ハムシのなかまは、食べる植物が決まっています。

ヨモギハムシはヨモギの葉を食べます。アカガネサルハムシはノブドウなどのブドウのなかま、キベリハムシはビナンカズラを食べます。

虫とりする人は、植物も勉強しましょうね。

「ふぇもらん」は、クズを食べます。

クズ(葛)は、各地に生えている、つる植物です。

3つずつになっている葉っぱが特徴です。
大きな葉っぱは、子どもの顔くらいになります。

クズが、わさわさと茂っているところ

「葛切り」というのは、クズの根っこからとった「葛粉」でつくった食べものですが、クズから葛粉をつくるのは、とてもたいへんなんだそうです。

おとなの「ふぇもらん」は、クズの葉っぱを食べます。

子どもの「ふぇもらん」は、クズの茎の中にいます。
「ふぇもらん」が入っていると、クズの茎が太ってコブになります。

安岡さんちで羽化した兵庫県産「ふぇもらん」

「ふぇもらん」の幼虫は、冬にはじゅうぶん成長しているので、コブになっているクズの茎を切って持ち帰ると、おとなになった「ふぇもらん」が、コブに穴をあけて出てくるというわけです。

クズ好きな虫は、ほかにも、いろいろ。

オジロアシナガゾウムシは、1cmくらい。別名、パンダゾウムシ。

コフキゾウムシは、5mmくらいの小さなゾウムシ。キラキラしてきれいです。

マルカメムシは、クズの茎で、なかよく暮らしています。
匂いがキツいと嫌われますが、かわいい虫ですよ。

「ふぇもらん」の育てかた

おとなの「ふぇもらん」は、クズの葉っぱだけでなく、昆虫ゼリーも食べますよ。

子どもの「ふぇもらん」は、生きたクズの茎の中で育つので、卵をうませて、次の世代を育てることは難しいでしょうね。

どんな虫もそうですけれど、
育てるときは、そのへんにポイっと放さず、
最期まで、かわいがってくださいね。

寿命はよくわかりません。
キベリハムシと同じと考えると、1、2ヶ月というところかな?

「ふぇもらん」情報大募集!

「ふぇもらん」が多くみつかっているのは、兵庫県西部の、揖保川沿いです。

まずは、揖保川流域のみなさんに、チャンス!

「ふぇもらん」は、クズの生えているところにいますが、太い茎もあるような、立派な株をみつけるといいですね。

晩秋にマルカメムシがたくさんやってきて、洗濯物に入り込んだりして、ウギャーと悲鳴をあげるようなおうちには、きっと近くにクズがたくさん生えてます!

安岡さんちの「ふぇもらん」は、5月下旬に出てきましたが、これは、暖かいお部屋に置いてたからで、野外では、今頃からそろそろ出てきて、夏休みにかけてが、チャンスだろうとのことです。

「ふぇもらん」をみつけたら

「ふぇもらん」をみつけた人は、むしの会へ、おしえてください。
あて先は、office(あっと)konchukan.netです。

いつ、どこで、だれがみつけたか、どれくらいいたか、つかまえたときのようすや感想など、およせください!

みんなからの情報をまとめて「きべりはむし」誌上で紹介したいと思います。

「ふぇもらん」をさがせ!!キャンペーンは、2020年9月30日までとします。


文責:八木 剛
協力:安岡拓郎・茂見節子

その後、集まった情報

2020年は、スタッフが、たつの市で見つけました。

2021年は、宍粟市、宝塚市から、情報をいただきました。少しずつ、広がってるのかな?

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