むしむしキャンプ「おやこでむしとりピクニック2020」 9月20日(日)・9月21日(月)~国立青少年交流の家~ 

9月20日(日)1日目 

今年で6年目。お泊りの「むしむしキャンプ」になって4年目の今年は、感染予防のためにお泊りなしで2日に分けてデイキャンプとして開催することになりました。どんな2日間になるのだろうかと 少し曇りぎみの明石大橋を渡ります。

10時半から受付開始ですが、私たちより前に来て もう虫アミをふってるご家族がいらっしゃいます!熱い2日間になりそうです!

まずは恒例「むしのとり方講座」です。
今回は「〇〇先生」と書いた名札を作ってくださったので、むしの会のスタッフは大学生もみんな「せんせい」です。坂本くんは「ボクもですか?」と照れていました。
吉田せんせいと坂本せんせいによる模範演技!「チョウに気づかれないように、そっと近づき素早くアミに入れ、逃げないようにくるりと返します!」 ほら、採れたでしょう!?

お天気もよくなってきたし『おやこでむしとり』開始です!

今年は浜を訪れる人が少なかったのか、植物がいっぱい伸びています。

会場の国立淡路青少年交流の家は、淡路島南側最大の砂浜、吹上浜に面しています。海岸でむし採りをするプログラムはそんなにありません。砂浜でむし採りしています。なにが採れるかな? 潮風が気持ちいいです!子どもたちがあちこちで虫アミをふるっているのはいい眺めです。

「トンボは翅をまとめてチョキではさむとあばれなくて大丈夫だよ!」と交流の家スタッフの大ちゃん。慣れたものです。

採ってきた虫は、自分のなまえをマジックでシールバッグに書き、中に入れます。採るのは簡単だけど、シールバッグに入れるのがたいへん! 最初は虫かごに手を入れるのもこわくて・・・。でも、だんだん慣れていきます。

バッタさんとったよ~~~!    「ふくろに入れてください!」     まつぼっくり とりました!

スタッフに種名を書いてもらって目(もく)別、種別に並べてぶら下げていきます。1時間もしないうちにどこに並べたらいいのか わかってきます。子どもたちはすぐに種名を覚えちゃいます。

たくさん採れました。

15:30からは『むしのおえかき』の時間です。自分で採った虫の中から「今日のいちばん!」の虫を描いてみましょう。絵を描くというより、よ~く観察するのが目的です。

画用紙の上にたくさんの虫たちが生まれてきます。みんな上手!

つぎつぎと、ステキな作品ができあがってきました。
みんなが描いた絵はシールに加工され、おわりの会で全員で「むしむしマップ」を作ります。むしとりでおなかが空いたので、おにぎりでエネルギーを補給。

太陽が傾き、1日目の「おやこでむしとりピクニック」も終わりが近づいてきました。

交流の家のスタッフによる『おわりの会』です。
ご家族ごとに、描いた虫の絵を披露して感想を言ってくれました。いい笑顔ですね。

「むしとり たのしかったよ」「また来たいです」とうれしい言葉がいっぱいでした。

交流の家のスタッフの田中さんが作ったかわいいマップに、描いた虫の特製シールを貼って、最後にみんなで「むしむしマップ」を作りました。

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みなさんが帰られた後の吹上浜です。うつくしい夕焼けでした。
明日はどんな日になるのでしょうか?たのしみです。

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9月21日(月・祝)2日目

朝の受付風景です。10時半には今日もたくさんの参加者がいらっしゃいます。

2日目も『むしのとりかた講座』から始めます。
内田くん、しっかりバッタをつかまえました! 拍手~~~!

これは朝の採集風景。逃がさないように頭からアミに入っている内田くん。プロの技!?参考になりますか?

きのうと同じように、採ってきたむしさんをシールバッグに入れ、仲間別につりさげていきます。

今日も「とったぞ~~~!」の満面の笑顔がたくさん見られました。交尾中のトノサマバッタを自力でとったボク! あわじスタッフの前田さんは生まれて初めて(?)ウスバキトンボをとったって! やっぱり虫は採るのがいちばんおもしろいですね。

オオウスバカゲロウのアリジゴク探しで浜が熱くなってる!と知らせを受けて行ってみたら、子どもたちは炊飯場に戻った後。大学生のスタッフがローラー作戦?!で探していました。
「なにとってるの~?」とそばに行ったら、あれれ?キミは尺八奏者? 浜にはおもしろいものがいっぱい打ち上げられています。蛸壺もごろごろ。今日はとびきりの晴天で 紫外線がめちゃくちゃ強いです。

ヤマトマダラバッタ探し中。採れた!

吹上浜にいる砂色が美しいヤマトマダラバッタ。環境のいい海岸の砂地にしかすまない希少種です。砂に紛れて探しにくいですが、眼が慣れてくるとけっこういるのがわかります。

今日もたくさんの虫が採れました。

小さい子たちのために、トンボやチョウやバッタをみなさんでカヤに入れてくれました。カヤの中ならトンボも虫アミで採れます!赤ちゃん連れのママさんもひとやすみ。

15:30からは『むしのおえかき』の時間ですが、なかなか『むしとり』が終わりません。水分をとって、今度はむしさんを描きましょう。

みんな、しっかり観察して描いてくれてます。子どもたちはとても目がいいので、大人には見えない小さな毛やとげとげが気になるようです。トンボがぐるぐる飛んでるようす。色がきれいですね!

むしむし画伯 大集合!

おえかきが終わった人は、むしさんを逃がしましょう。ヤマトマダラバッタとオオウスバカゲロウの幼虫の特大アリジゴクは全部浜に返してくれました。みんなぴょんぴょんがさごそ帰っていきました。

画用紙を継ぎ足すほど大きくウバタマムシを描いてくれた男の子。背中の条(しましま)と触覚を上手に描いています。迫力ありますね! ウバタマムシも松の木に戻してあげました。バイバイするのはちょっと名残惜しいね。

いよいよお別れの時間です。『おわりの会』をはじめましょう! 『むしむしマップ』を全家族で仕上げます。シールを順番に貼りつけていきました。

参加してくださったみなさま。今年の日帰りの「むしむしピクニック」はいかがでした? たのしんでいただけたでしょうか? その後の体調は大丈夫ですか?

近づきすぎないとか、おしゃべりするときはマスクしてなど、いろいろな事情が去年とは全く違う中、今年は県内に限っての募集でしたが、たくさんの方が応募(抽選倍率3倍!)してくださって、ありがとうございました。
リピーターが他の参加者にここでのむしのとりかたを伝授するのは「むしむしキャンプ」の文化だと思います。今年もSちゃんがアリジゴクをとるためにふるいを持ってきてくれました。こんな風に、どんどん伝えていっていただけたら、キャンプがもっともっと楽しくなります。
また来年も、南あわじでお会いできることをむしの会スタッフ一同たのしみにしております。

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初めてスタッフに来てくれた大学1年生の内田くんの感想です。
今回のむしむしキャンプに初めて参加して、とても楽しかったです。普段参加するイベント(昆虫大捜査線など)の多くは、参加者の方たちと数時間しか関われないのですが、今回のような午前中から夕方までの長い時間一緒にいることによって、お互いの顔や名前を覚えることができ、それぞれの参加者の方たちと楽しく話すことができました。
参加者の方たちは、思う存分虫たちと触れあい、とても楽しそうだったので、僕も嬉しかったです。子どもたちだけではなく、保護者の方も網を構えてギンヤンマを狙っている姿が、とても印象的でした。

ギンヤンマをとったパパ!

例年、このイベントは宿泊して行うと聞いてます。夜に吉田さんと坂本さんと一緒に砂浜を歩いたとき、砂浜にたくさんのゴミムシダマシの仲間やオサムシモドキ、オオヒョウタンゴミムシ(自分では発見できませんでしたが)、その他海辺の直翅類(イソカネタタキなど)といった、昼間とは全く違う虫たちと出会うことができました。
小さいこどもたちは、滅多に夜の海でむしとりをすることがないと思うので、普段とは違った場所でかわった虫を見てほしかったなぁと思いました。
今年は日中だけのイベントになってしまいましたが、是非とも今年の参加者の方に来年も参加していただき、夜のかわった虫を見てほしいなぁと思います。(内田)

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忙しい中、いろいろな準備をしてくださった交流の家のスタッフのみなさま、ありがとうございました。
スタッフの前田さんから後日いただいたメールに「虫が得意でないと思っていた私ですが、知らないだけだったのだと気づかせていただきました。良く観察すると、羽の模様が綺麗だったり、可愛い目をしており、気が付けば網をもって虫取りに挑み、触れていました。トンボを捕まえることが出来た時は、本当にうれしかったです。」とありました。トンボ・バッタ・チョウ・・・とざっくり呼んでいるうちはまだまだ興味が持ててません。名前を知り、観察してこんな顔だったんだと特徴をおぼえたら、いっきに距離が近づきます。それは、人間と同じです。むしさんともなかよしになれるのです。なかのいいお友だちならこわくなんてないでしょう?

今回の『親子でむしとりピクニック』が、小さいうちから虫に親しんで、ますます虫さんとなかよしになってもらえる機会となれば、こんなうれしいことはありません。

ぜひまた来年、ここ南あわじでお会いしたいです。

ありがとうございました。

2日間で採った虫:59種 428匹
(昆虫以外は7種:クモ・カエル・カタツムリ・まつぼっくり・センダンの実 など)

参加者 102名
1日目:15家族58名(保護者29名・子ども29名)
2日目:14家族44名(保護者20名・子ども24名)

国立淡路青少年交流の家スタッフのみなさん
こどもとむしの会スタッフ:久保弘幸・吉田峰規(有馬富士自然学習センター)・坂本貴海・内田隼人・松岡千寿・松岡想・吉岡朋子
【報告:吉岡】

終了後、マップの前で。