こんちゅう写真をとってみよう(1)

 

 昆虫調査員のみなさん。これから昆虫調査員をやってみようというみなさん。「虫みっけ(MM)」プロジェクトでは、みなさんからの写真も募集していますが、「昆虫写真ってどんなふうにとったらいいの?」という人のために、昆虫写真のとりかたのお話をしようと思います。

 「昆虫が大好きだけど、殺して標本をつくるのはちょっと」という人にも、昆虫写真はオススメですよ!

 ただし私は、高級なカメラを持っていませんので、ここではコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)での撮り方をお話ししたいと思います。多くのコンデジやスマホでの撮影は、これからお話しすることを、ある程度参考にしていただけるでしょう。

【とにかくまずは撮ってみる】

 それではさっそく、お話をはじめましょう。

 最初はあんまりむずかしく考えずに、とにかく撮ってみましょう。カメラのスイッチを入れて、目標の虫さんに向けてシャッターを切ってみます。虫さんまで2m!

 撮れましたね! え? どこに虫さんがいるかわからないって? ここですよ、ほらここ。

 でもこれでは虫さんが小さすぎて、こまかな形や色がわかりません。虫さんまでは、2mぐらい離れていますからね。高い倍率のズーム機能がついているコンデジをお持ちの方は、どーんとズームアップしてみましょう。

 こんどはずいぶん大きく撮れました。これで立派な昆虫写真です。35倍ぐらいズームしました。チョウの種類までわかりそうです。 

 あまり大きくズームできないカメラでは、虫さんにぐっと近づかないといけません。ぬきあし、さしあしで、そっと近づきます。   

 あ! 逃げてしまいました。

じょうずに虫さんに近づこう

 虫さんに近づくときは、できるだそっと近づくのはもちろんですが、手も頭も、そしてカメラも、できるだけ動かさないようにしなくてはいけません。私の経験では、虫さんはまっすぐ、ゆっくり近づいてくるものには、あまりおどろかないようです。横向きにうごくもの、早くうごくものにはおどろいて逃げることが多いのです。

 ですから、写真を撮りたい虫さんをみつけたら、足だけをゆっくりゆっくりうごかして、しずかに近づくのかコツです。

 そっとそっと近づいて、50センチまでちかづいて、シャッターを切りました。こんどはずいぶん大きく撮れました。

ぐっと近づいて撮りました。ツバメシジミの♂でしたね

 こんなふうに、さいしょはとにかく、たくさん撮ってみればいいんです。なにもむずかしいことはありません。失敗してもかまいませんから、どんどん撮影してください。だんだんと、虫さんに近づくのもじょうずになってきますよ。〈次回に続く〉 (久保弘幸)